外反母趾は親指が人差し指の方向に曲がる病気ですから、『曲がった親指を元の様に
戻せばいい!』と多くの方が考えがちですね。
この親指を広げるように戻す行為は、果たして有効なのでしょうか?
実は結果から申し上げると、有効ではないだけでなく、かえって悪くしてしまう
可能性が高いのです。
ここではその理由と、それではどうしたら良いのかについてお伝えしていきます。
実は外反母趾は、あなたが考えている様な指先が曲がる病気ではないのです。
下の真ん中の図を見て頂くと分かりやすいですが、外反母趾は指先ではなく
その付け根の部分が、指先とは逆方向に曲がっているのが分かると思います。
出典 一般社団法人ネイティブウオーキング協会
故に外反母趾は親指の指先が外側に曲がる病気ではなく、指の根元が内側に曲がる
病気といった方が正解です。
そんな状態なのに指を広げる方向に治療したりすると、指の根元はさらに広がり
グラグラな状態に。
もし親指の付け根が靴に当たって痛いなら、さらに痛みが増してしまいますね。
よく畳の目につまずいて転んだなどと冗談のような話がありますよね。
当センターに外反母趾のお悩みで来られた晶子さん(仮名)は重度の外反母趾で足に
力が入らないので、踏ん張りが効かず段差もない所で転ぶのだそう。
そのせいかどうか、膝も痛み出し階段を上るのも苦痛なので、だんだん避けるように。
若いころの様にとはいかないまでも、ひどくなる前に戻って、しっかり歩けるように
なりたいと膝をさすりながらお話されたのが印象に残っています。
また同じく外反母趾のお悩みでいらした尚子さん(仮名)は中程度の外反母趾でした
が、2年ほど前から腰痛になり、最近では座っていて立ち上がった時に、痛みで動け
ないことがあるそうです。
整形外科で診てもらったけど、「椎間板が少し減っていますね。」と言われただけと、
不安げにお話しされてました。
この様にグラグラな外反母趾の足は砂上の楼閣のようなもので、膝や股関節、腰への
負担は計り知れません。
外反母趾の方が同時にひざ痛や腰痛を抱えているのが納得できます。
さらに言えば、足に指の間に手の指を挟み、広げるようにするストレッチも良く
ないですし、サポーターやテーピングで広げるように固定してしまうのも問題です。
下の写真は患者さんが提供して下さったのですが、当センターに来られる前に
外反母趾の治療でテーピングを施された結果です。
痛みは取れず、紫色に腫れてしまいました。
痛々しいですね。
親指の根元のがグラグラな状態なのに、それをさらに広げるようにしてテーピングを
すれば、グラグラ状態に拍車がかかりますよね。
それが本来の正しい足の形ではないので、血管の位置もずれた状態で固定され、
うっ血してこんな状態に。
また、たくさん市販されていますので、指先の分かれた靴下を履かれている方もい
らっしゃいますが、これも指を広げる方向に、つまりグラグラ状態を増幅させて
しまうのですね。
広がってなった病気をさらに広げては、それは治らないですよね。
それではどうしたらいいかというと、広がったものは逆に締めればいい分けです。
ですがテーピングなどで対処療法的にギュッと締めても、それは治ったことには
ならないのですね。
実はアメリカ足病医学の考え方から生まれた【ゆるかかと歩き】という足に負担を
かけない歩き方を身に付けることで、自然に親指の根元が締まっていくのです。
「え~歩き方!」と驚かれたり、「歩き方を直すだけで、本当に外反母趾が治るの?」
とよく聞かれますが、全国でたくさんの方が改善しています。
あなたはお箸を上手に使えると思いますが、使い方を知らない人やまだ習いたての
子供は、お箸を握りしめてしまってマメの一粒を挟むことが出来ませんね。
でもお箸の持ち方を習った人は、マメを一粒一粒つまむことが出来ます。
今まで正しい歩き方を習わず、自己流で間違った歩き方をしたせいで外反母趾に
なってしまったのです。
正しい歩き方を習得することで、親指の付け根に負担がかからない歩き方が出来る
ようになり、外反母趾が自然に治っていくのですね。
ただし長年にわたって間違った歩き方、悪習慣を続けてきているので、それを
変えることは大変です。
でも改善方法を知っている私たちが、寄り添い間違った方向にいかないように、
舵をとりながら導いていった結果、協会にはたくさんの改善例があります。
今では晶子さんも尚子さんも、外反母趾の角度が改善し、親指の根元が締まり、
以前とは全く違った足取りで歩いていらっしゃいます。
正しい歩き方を身に付けることで、何となく他人には見せたくないと思っていた
足を、自慢できるようになりますね。
昔の足を知った友人からは、「どうやってこんなにきれいにしたの?」と聞かれる
かもしれません。
間違った治し方をする前にぜひご相談くださいね。
お待ちしております!